第65章

平手打ちを食らった和也は顔を背けたが、再びこちらを向いたとき、その表情は氷のように冷酷だった。眼の奥にはゾッとするような光が宿っている。

「葵!」

憎しみを込めるように、私の名前を吐き捨てた。

理由もなく、背筋に冷たいものが走る。

今の和也は、まるで理性を失った獣だ。次の瞬間、どんな狂気じみた行動に出るか見当もつかない。

これ以上何を言っても無駄だと悟り、私は大声を上げようと口を開き、同時に両手に力を込めて彼の拘束から逃れようとした。

だが、和也の動きのほうが早かった。有無を言わさず片手で私の口を塞ぎ、もう片方の手で私の両手首を締め上げ、強引にベッドへ組み伏せる。

「たす……」...

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