第70章

ほっと息をつき、私は慌ててユミに言った。

「ごめん、ちょっと行ってくるね」

ユミは名残惜しそうにしていたが、引き止めるわけにもいかず、私を見送った。

彼女から離れられたとはいえ、私の胸のざわつきは一向に収まらなかった。

晴美さんが私を呼んだのは、間違いなくアレックスのプロジェクトの件だろう。

現在、私はアレックスと個人的にやり取りをしてはいるものの、確実に契約を取れるという保証はどこにもない。

今はただ、待つしかないのだ。

少なくとも、アレックスはまだ藤原グループとの提携を正式に発表してはいない。

重く沈む心を隠し、私は何食わぬ顔を取り繕った。

オフィスに足を踏み入れると、...

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