第77章

眉をひそめた。

今住んでいるこのマンションはセキュリティが厳重だ。こんな夜更けに、見知らぬ人間がドアを叩くはずがない。

それに、デリバリーを頼んだ覚えもなかった。

スマホを握りしめ、足音を忍ばせて玄関へと近づく。

だがドアには近寄らず、スマホのアプリで防犯カメラの映像を確認した。

一目見た瞬間、さらに眉間が寄った。

和也だ。

どうしてまた、ここまで追ってきたのだろうか。

彼の力をもってすれば、私の居場所を突き止めることなど造作もないのはわかっている。

ましてや今夜は、悟のロールス・ロイスを運転していたのだ。あまりにも目立ちすぎた。

ただ、和也は昔からプライドが高い。一度私...

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