第78章

目を閉じると、自分の口からこぼれ落ちる声が聞こえた。

「ええ、彼を連れて行って」

私の指示を受けた執事と警備員たちは、もう躊躇うことなく和也を連れ出した。

和也は泥のように眠りこけ、目を覚ます気配はない。

ぎゅっと拳を握りしめ、再び目を開けたとき――私の瞳に迷いはなかった。

情に流されてはいけない!

絶対に、振り返らない!

ふうっと息を吐き出し、私は寝室へと戻った。

翌朝、私は早くから会社へ向かった。

和也が私の生活に姿を現すことはなくなり、それに伴って寧々も姿を消した。

和也があの夜の出来事を忘れてしまったのかどうかはわからない。

けれど、私にとっては好都合だった。

...

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