第83章

胸の奥がすっと冷えた。私は問い返す。

「つまり、今の私にはユリの正体を公表する以外、何の選択肢も残されていないってことね?」

晴美は沈黙し、肯定も否定もしなかった。

私もそれ以上は追及せず、ただ告げた。

「一時間、考えさせて」

私の言葉を受け、晴美は静かに口を開く。

「葵、友人として忠告しておくわ」

「もし今回、あなたが上層部の決定に背くなら――たとえあなたがユリであっても、会社に大きなプロジェクトをもたらしたとしても、私にはもうあなたを庇いきれない」

胸に鉛が落ちたように重くなる。

「わかった」

通話を終えた後も、私は焦ることなくトレンドを開いた。

時刻はまだ六時を回...

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