第8章

 私だけが、まだ立っていた。

 洞穴みたいにだだっ広いホールは、死んだように静まり返っていた。

 聞こえるのは、ボスの肉がぐちゃり、ぐちゃりと――濡れた不快な音を立てながら乱暴に縫い合わさっていく音だけだ。

 三秒もかからず、盤面は完全に消し飛んだ。

 擬態の魔物が、目のない醜悪な顔をまっすぐこちらへ向ける。

 鈍く重い、どすんという一歩。

 まるで急いでいない。もう勝っているのだから。

「そこにいろ」魔物がしゃがれ声で言った。

 さらに、ゆっくりと一歩。

 背中の巨大でぎざぎざした骨の棘が、攻撃的にぴくりと跳ねる。

「俺のNPCになれ」

 胸が上下する。焼けつく肺に酸...

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