第9章

 ボスはそう簡単には倒れなかった。

 大陸プレートがへし折れるみたいな悲鳴を上げる。

「死ねぇっ!」

 擬態の魔物の胸腔が、嫌に生々しい湿った音を立ててぐしゃりと裂けた。

 最後の骨槍が放たれる。

 音速より速い。瞬きする暇すらなかった。

 衝撃で身体が後方へ吹き飛んだ。石床に叩きつけられ、骨が砕けるような鈍い一撃で肺の空気――そして命まで――吐き出させられる。肺が痙攣し、世界が暴力的に震える赤に染まった。

 視線を落とす。ぎざぎざの灰色の骨槍が、胸のど真ん中から突き出ていた。息を吸おうとしても、舌に広がるのは銅と鉄の味だけだ。

 咳き込む。赤い飛沫が石に散った。

 擬態の...

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