第6章

マデリン視点

 シチリアの太陽が目に突き刺さり、闇の中でようやく癒えかけた傷口を抉るようだ。私はレオの遺骨を抱きしめた。一歩踏み出すたびに、砕け散ったガラスの上を歩いているような痛みが走る。

 滑走路では父が待っていた。

 ヴィットーリオ・ロマーノのグレーのスーツは相変わらず完璧に着こなされていたが、その瞳――数多の流血を目撃してきたその瞳――は今、苦悩に満ちていた。私が近づくと、父は両腕を広げた。

「お父さん……」声がひび割れる。「レオがいなくなっちゃった……」

 父は骨が軋むほどの強さで私を抱きしめた。「おかえり、マデリン」

 その瞬間、八年間の無念が堰を切ったように溢れ出し...

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