第8章

 会議室の喧騒が、潮が引くように静まり返っていく。私はゆっくりと立ち上がり、冷徹な視線で、並み居る顔ぶれを一人ひとり見回した。

「皆様、随分と物忘れが激しいようで」

 私の声は、自分でも恐ろしくなるほど静かだった。

「ダンテ・ファルコーネが、あの『事故』を周到に演出した時――自らの手で鞍の下に金属片を忍ばせた時、彼は一度でも考えたでしょうか? 乗るのが、八歳になったばかりの子供だということを」

「レオの骨髄を無理やり採取させた時もそうです。何度も、何度も……あの子が痛みで気絶し、自らの唇を噛み切り、白いシーツを鮮血で染め抜くまで。その時、彼はただの一度でも躊躇しましたか?」

 室内...

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