第196章

指先をぎゅっと握り込み、私は伏し目がちにルカとロジャーの探るような視線をやり過ごした。

この手を無意識に使うことを拒絶してしまうのは、心理的な障壁――PTSD(心的外傷後ストレス障害)によるものだ。

「もしかして……」

ルカが口を開きかけた。

「ロジャー、リハビリのメニューを組んでちょうだい。以前のレベルまで戻すには、相当な訓練が必要になるわ」

私は足早にルカの言葉を遮った。

ロジャーは眉を顰める。

「本気か?」

「ええ、本気よ」

リハビリ計画ができたら送る、と言うロジャーを残し、私とルカは立ち上がって部屋を出た。

ルカは険しい顔をしたまま、エレベーターに乗り込むまで口を...

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