第206章

ルカは今日、わざわざ仕事を後回しにしてまで私がソーロンの診察をするのに付き添ってくれた。だからこそ、ソーロンにヤブ医者呼ばわりされた時、誰よりも先に噛み付いたのだ。

「このクソジジイ……」

私はすかさずルカの腕を掴み、目で制止した。

ヤブ医者と罵られても、少しも腹は立たない。厄介な患者に出くわせば、これより酷い暴言などいくらでも飛んでくる。中には命に関わるような医療トラブルを起こす者もいるのだ。ソーロンが私の腕を疑ったところで、痛くも痒くもない。

ルカは不服そうに口を噤んだ。私は彼の手を軽く揺さぶり、小声でなだめる。

「短気は起こさないで」

ソーロンは老眼鏡をかけ、すべての検査報...

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