第209章

「マルクス兄さんが失踪した?」

私は一瞬で完全に目が覚め、勢いよく身を起こした。だがその拍子にむせてしまい、激しく咳き込んだ。

ルカは慌てて肩と耳で携帯を挟み込み、私を抱き寄せて背中をさすってくれる。

私は手を振って彼を制し、自分の口を両手で覆って咳の音を押し殺しながら、ゲラー兄さんの話を聞くようルカに合図した。

「ベラ? どうしたんだ?」

ゲラー兄さんが尋ねる。

「ベラは大丈夫です」とルカは答え、「マルクスがどうしたと?」と続けた。

「……ルカか?」

「ええ」

ゲラー兄さんは二秒ほど沈黙し、口を開いた。

「マルクスが昨晩から音信不通なんだ。モグラに位置情報を追跡させたと...

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