第71章

ルカの怪我は順調に回復し、退院も間近だったはずだ。だが、私の言葉に激昂した彼は吐血し、意識を失ってしまった。

私は重い足取りで病棟を後にした。

鼻腔に纏わりつく消毒液の臭い。自動ドアのガラスには、心細げな私の影が映り込んでいた。

「イザベラさん?」

オックスが私の行く手を遮った。

「ルカの見舞いですか」

彼は穏やかな眼差しを向けてきたが、その奥には探るような色が混じっていた。

「もう会いました」

彼を避けて通り過ぎようとしたが、オックスに呼び止められた。

「ルカの病状についてお話ししたいのですが、少々お時間をいただけますか」

即座に断るべきだった。だが、体は私の意思に反し...

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