第79章

麓の駅に着くと、私は誰よりも先にケーブルカーを降りた。

大股で歩き出す。あの狭い箱の中で重ねた抱擁の温もりも、胸の高鳴りも、そのケーブルカーごと遠い彼方へ置き去りにするかのように。

ルカがついてくる。私は思わず振り返って尋ねた。

「アルフを待たないの?」

ルカは平然と私の横を歩いている。

「あいつには足がある。勝手に追いついてくるさ」

「じゃあ、エミアは?」

私の声には、隠しきれない棘が含まれていた。

ルカは全く意に介さない。

「彼女にも足はあるだろう」

私は呆れて白目を剥いた。

とっぷりと日が暮れ、埠頭外れの道はひっそりと静まり返っていた。街灯が投げかけるのは、頼りな...

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