第82章

寒風が吹き荒れ、私は思わず首をすくめた。

庭にはまだクリスマスツリーのイルミネーションが残っており、明滅する光が石畳の上に斑らな影を落としている。

私の姿を認めたルカは、オイルライターの蓋をカキンと閉じた。彼は歯噛みしながら言った。

「見舞いに来たのがたった一度きりとはな!」

運転席のアルフも、非難めいた視線をこっそりと投げてくる。

「それだけ憎まれ口を叩く元気があるなら、大した怪我じゃないってことでしょ」

私は少し後ろめたさを感じて話題を変えた。

「さっき、ボーニン兄さんに会ったの?」

「ああ、あいつは……」

ルカは二秒ほど考え込んだ。

「想像していたほど嫌な奴じゃなか...

ログインして続きを読む