第97章

ジョニスがデートの場所に選んだのは、マリンパークだった。

 一月の風は湿り気を帯びて冷たく、街路樹のプラタナスはすっかり葉を落として寒々しい姿を晒している。私は車内で今日のメイクをチェックしてから、車を降りてジョニスの方へと歩き出した。

 正月休みも終わりだというのに、マリンパークの客足は衰えていない。ジョニスは風船売りの屋台の横に立っていた。淡いグレーのスタンドカラーコートを纏い、相変わらずどこか軽薄な笑みを浮かべている。瞳は明るく輝き、鼻の頭は寒さで赤くなっていた。

「待った?」

 駆け寄ると、白い吐息が瞬く間に消えていく。

「俺も着いたばかりさ」

 ジョニスはピンク色のヘリ...

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