第5章

【孝平視点】

「何だと?」

「孝平様……もう一通、親子鑑定書がございます」医師の声が震えている。

「佳弥ちゃんは、あなたの娘ではありません」

「孝平?」友梨奈の声が、ねっとりと纏わりついてくる。

「きっと誰かの悪戯よ、ねえ、気にしないで――」

「黙れ」

 俺は背を向け、病床の佳弥を見下ろした。俺の娘――少なくとも三十分前までは、そう信じていた少女。

 彼女は俺が贈ったばかりの『幸運のブレスレット』を嬉しそうに弄っている。

「パパ、これすっごく綺麗」

 俺は歩み寄り、医師からそのファイルを受け取った。

 封を切り、書類を引き抜く。

 一枚目は術後の経過データ。二枚目は…...

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