第6章
【里奈視点】
飛行機がパレルモに降り立つ。私はリリの骨壺を抱きかかえ、タラップを降りた。
出口には母が立っていた。七年ぶりの再会だ。少し老けたようにも見えるが、その眼光の鋭さは何ひとつ変わっていない。
「お母さん」
歩み寄りながら、私は無意識のうちに右肩を引いていた。
母が両腕を広げ、私を抱きしめる。その抱擁は強く、私は奥歯を噛み締め、痛みが声にならないよう堪えた。私たちの間には骨壺が挟まっている。母は明らかにその硬質な感触に気づき、一瞬だけ体を強張らせたが、何も言わなかった。
長い抱擁の後、母は身を離し、両手で私の顔を包み込んだ。
その手が止まり、何事もなかったか...
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