第194章 突如発生した暴動

上村サラ視点

 帽子を目深に被り、拳銃をズボンのポケットに滑り込ませる。汗ばんだ掌で、それを強く握りしめた。

 今夜、カサ・ロハは不気味なほど静まり返っていた。人が、忽然と姿を消してしまったかのように。男や女の笑い声もなければ、一階のバーから響くスロットマシンの遊興音も聞こえない。

 私は足早に通りへ出た。道行く人は疎らだが、皆、判で押したように同じ方向を目指している。帽子のつばをさらに引き下げ、私もその流れに身を任せた。

 すぐに、自分が巨大な人の波に飲み込まれつつあることに気づいた。周囲の密度は増すばかりで、そこかしこから多言語の囁き声が漏れ聞こえてくる。

 肌の色も服装もてん...

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