第229章 ガイドは彼の婚約者を想う

上村サラ POV

私たちはついにナイロビを離れ、黒人の若いガイドであるムカリの後についていった。

彼は危険を微塵も感じていないようで、恐怖の欠片すら見せなかった。それどころか、これからの旅にかなり興奮しているように見える。

「俺たちの敵が誰だか分かっているのか?」

春が淡々と尋ねた。

ムカリは悪戯っぽく笑った。

「ヴァイパーから聞きましたよ。CIAでしょう? 僕はアメリカ映画をよく観るし、暇な時には映画で英語の勉強もしてるんです。『The Bourne』! あれは最高ですね。映画の中のCIAは本当に極悪非道で! みんな悪党のくせに、すごくマヌケだ」

私は思わず吹き出した。彼の子...

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