第231章 実は結婚式だった

――上村サラ視点――

春はムカリを気絶させ、最もシンプルな動作で部屋の混乱と喧騒に終止符を打った。

部屋がしばし静まり返る中、アシナはゆっくりと手を挙げ、震える声で英語を口にした。

「私、少しだけ、英語が、話せます」

春は彼女に頷き、ゆっくりとした口調で言った。

「俺たちはムカリの友人だ。いや、クライアントと言ったほうがいいか。南アフリカから来た動物学者だ」

どうやら、ムカリの紹介を待つわけにはいかないようだ。動物学者というのは悪くない設定だ。

「ここを通りかかってね。ええと、親戚の人たちには、先に帰ってもらえないか?」

アシナは頷くと、振り返って明らかに両親と思われる二人に...

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