第267章 私は彼に君を連れて行かせる

上村サラ視点

ジープのエンジン音が響き、やがて遠ざかっていった。

病院のロビーにいた人々も次第に散り散りになる。私は中山さんのそばに身をかがめ、そっと彼の名を呼んだ。

ハッサン先生が私の頭上から声をかけた。

「もういい、起きていいぞ」

中山さんは目を開けると、ニヤリと笑った。

私は眉をひそめる。

「お芝居だったの?」

中山さんはもがきながら私の腕を頼りに立ち上がろうとしたが、私は腹を立ててその手を振り払った。

「他にいい方法があったか?」

「危うく殴り殺されるところだったじゃない!」

私は目を赤くして低い声で怒鳴った。

彼は私をじっと見つめ返す。

「俺は死なないし、...

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