第268章 極秘USBメモリはない

上村サラ POV

病院の当直室。中山さんはメスを使い、私の二の腕から手際よくネクスプラノンを切開して摘出した。

床に落ちたその細長い物体から、私は目を離せなかった。呼吸が荒くなる。当直室には、静寂だけが横たわっていた。

数秒が経過した。だが、何も起こらない。

中山さんを見上げると、彼はわずかに眉をひそめ、無言の視線で私に問いかけてきた。

「……私、思ってたの」私は口ごもりながら口を開いた。「もしかしたら、毒が放出されるんじゃないかって……ずっと怖くて」

「毒だと?」中山さんは信じられないといった目で私を見た。「君は外科医だろう」

私は少し恥ずかしくなり、唇を尖らせた。「いくら私...

ログインして続きを読む