第270章 軍営での格闘

藤原春 視点

ハルツーム近郊にある、広大な軍の野営地へと連行された。

車から降ろされ、足元が定まるより先に、容赦のない拳が飛んできた。

鳩尾に重い一撃を食らい、くぐもった呻き声が漏れる。身体はくの字に折れ曲がり、数歩よろめいて危うく地面に倒れ伏すところだった。やがて、視界の端に深緑色のcombat bootsを履いた何双もの足が映り込んでいることに気づく。

顔を上げると、目の前には上背があり肩幅の広い、35、6歳ほどの黒人兵士が立っていた。その後ろにも似たような体格の兵士たちが数人控えている。彼らの着るデジタル迷彩服には、階級章の類が一切見当たらなかった。

「Hey!これがそっちの...

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