第273章 牢屋の中の奇妙な雰囲気

【藤原春の視点】

 バシルのオフィスで、俺は次第に大佐の思惑を掴み始めていた。どうやら、俺の演じる「中古武器商人」という役回りは、まだ当分お役御免とはいかないらしい。

 立ち上がりながら、俺は言った。

「いいだろう。俺がハルツームの市場を何度かうろつけば、必ずあの仲介人が接触してくるはずだ。向こうも、待ちくたびれて焦っているに違いないからな」

 もちろん、これは真っ赤な嘘だ。仲介人など、俺がでっち上げた架空の存在にすぎない。

 次の手に打って出るのは、この軍営を離れ、街の奥深くに潜入してから考えるしかない。

 大佐は頷き、皮肉たっぷりに言った。

「保証しよう。きっと忘れられない...

ログインして続きを読む