第281章 スーダンで生活の匂いを嗅ぐ

藤原春視点

バシルの軍営を後にした俺は、二人の兵士と共に黒の古いトヨタ・カムリに乗り込んだ。同時に、バーバラ・ギブソン先生も同乗してきた。

兵舎から出られるよう、バシルが本当に民家を手配してくれたことには驚かされた。彼の仕事の早さとその流儀には感心するばかりだが、この美しい女医が同行してきたことには、さらに驚かされた。

俺の顔色を見て取った彼女は、皮肉たっぷりに言い放つ。

「あなたの同居相手は前の二人よ。私じゃないから」

前の席に座る二人の兵士が、へへっと笑い声を漏らした。どうやら、簡単な英語なら理解できるらしい。

ハルツーム教育病院の正門前でバーバラを降ろす。彼女は俺に一言も発...

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