第282章 ずっと探していた人に出会う

藤原春の視点

ハルツーム・バザールに足を踏み入れ、俺は真の人間の本質とは何かを悟った。それは『捕食者』であるということだ。牛肉を目にした瞬間、ジュージューと音を立てて焼けるステーキの映像が脳内を支配し、口の中には一気に唾液が溢れ出した。まるで次の瞬間には自分が一匹のチーターへと姿を変え、獲物めがけて飛びかかってしまいそうなほどの飢餓感。

だが、その牛肉の価格を見た途端、脳内の甘美な映像は木っ端微塵に打ち砕かれた。

ここ数日でスーダンについて得た知識によれば、この国は猛烈なインフレに見舞われており、食料の価格は毎日変動している。そして今、俺の目の前にある牛肉の値段は、俺の背後にいる2人の...

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