第286章 お返しに彼女にキスを

バシルの駐屯地を後にすると、二人の兵士は目に見えて安堵の表情を浮かべた。俺の監視任務は、前線での戦闘に比べれば命の危険こそないものの、彼らにとっては相当な重圧だったに違いない。

ついに二日後、俺はこの国を去る。彼らにしても、俺という厄介払いができるのは大歓迎だろう。

出発を控えた午後のことだ。俺は牛肉を二枚買い足し、最後の晩餐として豪勢な食事を作るつもりでいた。だが、どうしても心残りがあった。何かやり残したことがあるような、そんな未練が胸の奥でくすぶっていたのだ。

リビングへ足を運び、兵士8の肩をポンと叩く。

「前に背中をひどく打ってな。今日になってどうも痛むんだ。ちょっと見てくれな...

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