第289章 都市での戦争が勃発した

【藤原春】

ハルツームに戻った頃には、すでに夕闇が迫っていた。

バシル大佐の兵舎の執務室。彼は俺が予想していたよりもずっと落ち着き払っていた。

俺は年季の入ったボロボロのソファに大股を開いて座り、彼が大尉と交わす会話を冷ややかに見つめていた。もっとも、その内容は一言たりとも理解できなかったが。

やがて大佐が大尉の肩を叩いて退出を促すと、大尉は終始怒りと落胆の入り混じった表情を浮かべたまま部屋を後にした。

バシルは再びこちらへ向き直り、複雑な視線で俺の目を真っ直ぐに射抜いた。

「お前は勇敢だ。そして、義理堅い」

俺は鼻で笑った。

執務机の上にはドル紙幣が詰まったアタッシュケース...

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