第295章 束の間の出会い

【上村サラ視点】

暗闇に包まれた薬品保管庫に一人きりだと思っていたその時、不意に肩へ手が置かれた。

総毛立つほどの恐怖に襲われる。誰? 銃を構えた兵士だろうか。

「サラ、君なのか」

背後から、低く響く声が聞こえた。

私は大きく目を見開く。これは夢なのだろうか。震える指で冷蔵庫の扉を閉め、ゆっくりと振り返った。

暗闇の中、ボサボサの髪に無精髭を生やした野性的な男の顔が浮かび上がり、全身の血の気が引いていく。

いや、絶対に夢を見ているのだ。爪が食い込むほど強く手のひらを握りしめても、ほんの少しの痛みすら感じない。やはり夢に違いない。

毎日あれほど恋焦がれていた人に会えるなんて。お...

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