第296章 あなたは私のために残ってくれたの?

【上村サラ】

ハルツーム教育病院に戻った頃には、夜が明けようとしていた。

銃声はまばらになっていた。一晩中続いた戦闘で、兵士たちも疲弊しきっているのだろう。

大股で病院の入り口をくぐると、ハッサン先生が椅子に腰掛け、壁に頭をもたれて眠っているのが見えた。

そっと肩を揺さぶると、彼はビクッと身をすくませて目を覚ました。そして私の顔を視界に捉えるなり、顔に喜色を浮かべる。

「やっと戻ったか。アッラーに感謝を。EB3は手に入ったのか?」

私は微笑んで頷き、手に提げたクーラーボックスを軽く振ってみせた。

「彼のもとへ案内してください」

ハッサン先生は一瞬だけ躊躇いを見せたが、すぐに頷...

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