第43章:ダイヤモンドリング

ライラ視点

混乱したまま目を覚ますと、深い眠りの余韻で体が鉛のように重かった。

ベッド脇の時計に目をやり、驚いて瞬きをする。午後七時三十分。イーサンが出て行ってから、一日中眠り続けていたことになる。無言の抗議として実質的な絶食を丸二日も続けていたのだから、体は休息を渇望していたのだろう。

私は慎重に背伸びをし、背中を反らせて筋肉に居座っていた凝りをほぐした。認めたくはないが、ここ数週間で一番の熟睡だった。

膨らみ始めたお腹をかばって横向きに寝返りを打つと、誤って自分の右手を体の下に敷いてしまった。その時、何か硬いものが指に食い込むような、見慣れない異物感があった。眉をひそめながら手を引...

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