第80章:テオとの出会い

イーサン視点

母親が予告なしに現れることほど、その場の雰囲気をぶち壊すものはない。

俺はオフィスから慌てて飛び出していくライラを目で追った。身なりを整えるのに必死な様子だ。彼女の頬はまだ、俺たちの情事の余韻で紅潮している。満たされぬ欲望に身体が疼いたが、唇の端が持ち上がるのを抑えきれなかった。彼女の乱れきった姿――ほつれた髪、俺のキスで腫れた唇、俺だけが与えられるあの一点を見つめるような陶然とした瞳――それは最高にそそる眺めだった。

母の到着があと一日遅ければ、ライラをじっくりと愛でることができたのに。変化していく彼女の肢体を隅々まで探索し、彼女にふさわしい崇拝を捧げられたはずだ。妊娠し...

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