第5章
私専属の医療チームが、人垣を縫うようにして迅速に駆けつけてきた。主治医が私の傍らに跪き、手際よく、かつ優しく額の傷を検める。
「奥様、まずは止血を」
空が私の服をぎゅっと握りしめていた。その深い鳶色の瞳――武司と瓜二つの瞳――が、殺気を帯びて淳一を射抜く。その凄まじい気迫に、周囲の客たちは本能的な恐怖を感じて後ずさった。
「痛いの?」と空が訊ねる。
「いいえ」医師はきっぱりと答えた。
「頭の厳命です――奥様には、いかなる苦痛も与えてはならないと」
武司は、まるで壊れやすい磁器でも扱うかのように、慎重に私を医師へと預けた。
そして踵を返す前、彼は頭を下げ、私の額に口づけを...
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