第7章

 三日が過ぎた翌朝、私はようやく退院の日を迎えた。

 肩の傷は、ほぼ癒えている。

 駐車場の車止めまで歩いてきたところで、ポケットを探るとスマホがないことに気づいた。病室に忘れてきたのだ。

「ここで待ってろ。俺が取ってくる」

 武司の口調には、反論を許さない響きがある。

「自分で行ける——」

「あと五分だ」

 彼は私の額に口づけを落とし、エレベーターへと歩き出した。

 遠ざかるその背中を見送りながら、私の口元は自然と綻んでいた。

 この人は……。

「千佳」

 振り返ると、物陰から淳一が姿を現した。

 その姿はあまりに惨めだった——服はボロボロで、顔には新しい傷があり、...

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