チャプター 10。

ケイデン視点

ピアノを三十分ほど弾いたころ、アロンソ先生がこちらへやって来た。

「いやあ、タリア。君は本当にピアノの才能があるね。ここにいる数日のあいだ、また聴かせてもらえるといいな」先生は彼女に笑いかけ、タリアは控えめに微笑んでうなずき返した。

「いくつか検査をしないといけないんだ。今、できそうかな?」先生は相変わらず笑顔で、彼女を見た。

タリアは微笑んでうなずいた。俺は立ち上がって手を差し出す。彼女は俺を見上げて笑い、その手を取った。

立ち去ろうとした瞬間、周囲にいた人たちが次々と拍手を送ってくれた。タリアはみんなに笑顔を向け、丁寧におじぎをした。

それから俺たちはそこを出て、...

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