チャプター 58.

タリア視点

自分でも、どうしてあんなことをしてしまったのかわからない。まるで――ギターが目に入った瞬間、身体が先に動いたみたいに、どうしても歌いたくてたまらなかった。

歌うのなんて、本当に久しぶりだった。最後に歌ったのは、何年も前、牧場でディナと、その妻のミシェルと一緒にいたときだ。気づけば一瞬、部屋にあの子たちがいることすら忘れていた。

なのに今、みんなは私をボーカルにしてバンドを組もうと言い出した。全員が「いいね」と乗り気で、最終的に決めるのは私だって。私はしばらく、黙って考え込んだ。

「ゆっくり考えていいよ、タリア。これ、みんなを驚かせる最高のやり方だと思う」エズラが微笑みながら...

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