第126章

リドリー視点

シーダーの顔に困惑が広がるのを、俺は見ていた。眉がわずかに寄せられている。どうして自分の体のことに、こうも無頓着でいられるのだろうか。

「君の背中を覆っている傷跡に、まさか気づいていないわけではないだろう」俺は落ち着いてはいたが、きっぱりとした口調で言った。

昨夜、彼女の入浴を手伝ったとき――その記憶は今も気まずく心に残っているが――はっきりとそれを見た。本来なら完璧なはずの肌を損なう、青白い十字の痕。最近の怪我ではない。治りの悪い古い傷で、通常の治療では消せない類のものだ。

今朝、俺はノースウェスタン記念病院に寄り道をし、専門家に頼み込んでこの特注の傷跡軽減治療薬を調合...

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