第171章

シダー視点

朝の日差しが病室のブラインドから差し込み、部屋を黄金色の輝きで暖かく満たしていた。私は新鮮なチューリップの花束と数冊の絵本を腕に抱え、子供たちを病室へと導いた。

家を出る前、私は子供たちの目線までかがみこんだ。「覚えてる? パパは心配されるのが好きじゃないの。だから、笑顔を見せてあげましょうね?」彼らはその歳の子が理解すべき以上のことを分かっているかのように、神妙に頷いた。彼の容態を知って胸は痛んだけれど、私はこの瞬間を大切にしようと――もっと美しい思い出を一緒に作ろうと心に決めていた。

私たちが入ると、リドリーが顔を上げた。昨日よりもずっと顔色がいい。点滴のラインと病院の寝...

ログインして続きを読む