チャプター 22

エイデン視点

革張りのシートから滑り降りようとしたところを、父に見つかった。体勢を立て直す間もなく、その力強い両手に肩を掴まれる。

額に冷たい汗が滲む。父の氷のような視線とぶつかり、顔からさっと血の気が引いていくのがわかった。胸の内で心臓が激しく高鳴っていたが、恐怖を見せまいと唇を固く結んだ。

「何を探していた?」父の声が、鋼のように静寂を切り裂いた。

「僕は……」

言葉が喉に詰まった。嘘はつけない――父には。生まれたときから叩き込まれた教えが、それを許さなかった。たとえその方が厳しい罰を受けることになっても、不誠実であるよりは沈黙の方がましだ。

父は僕をソファの上に降ろすと、ネク...

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