チャプター 26

リドリー視点

エレベーターを降りてネストデザインの役員フロアに足を踏み入れると、エイデンが黙って後ろについてきた。

エイデンのネストデザインの発展に関する提案に感銘を受けた私は、彼をこの子会社の責任者に据えることに決めた。そうすれば本社との連携も円滑になるだろう。

そのためにはトーマスと直接会って詳細を詰める必要があった。単なる意思疎通のプロセスに過ぎないため、到着の事前通知はしていなかった。これは支社の運営状況に対する抜き打ちの視察も兼ねていた。

エイデンの姿勢は硬直し、視線はまっすぐ前を向き、意図的に私と目を合わせようとしない。沈黙の抗議は、まさに私の予想通り続いていた。罰として与...

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