第13章

南條修司は一瞬躊躇った。目の前の女性は、少し痩せ気味ではあるものの、驚くほど美しかった。

その瞳は、澄んで輝いており、知性に満ちていた。

南條グループ傘下の芸能プロダクションは、下川最大のエンターテインメント企業だ。

そのため、数多くの女優と接してきた。

その中には大物スターや、映画賞を受賞した女優たちもいた。

しかし、彼女のような目を持つ人は、誰一人としていなかった。

澄み切った眼差しには、どこか哀愁が漂い、そして時折、何気なく艶めかしさが垣間見える。

その眼差しの一つ一つが、人生の喜怒哀楽を物語っているかのようだった。

南條修司は足を止め、元の席に戻った。

その場にいた...

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