第16章

木下明美はここで怒り狂っていた。

南條修司の手を借りて白石沙耶を完全に潰そうと思っていたのに、まさか南條修司が本当に白石沙耶に助演女優の役を与えるとは。

木下明美は自分がなぜこんな失態しまったのか分からなかったが、頭の切れる白石沙耶には見透かされていた。

「ありがとうね。あなたが頼んでくれなかったら、こんなチャンスはなかったわ。やっぱり姉妹の絆は深いのね。あなたが助けてくれると知ってたわ」

白石沙耶はにこやかに木下明美に言った。

「出て行け!誰があんたなんかと姉妹よ。分不相応にも程があるわ!」木下明美は激怒した。

「くやしいでしょう?あのポーカーフェイスを使って私を潰そうとしたの...

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