第37章

外から鍵を開けようとする音が聞こえ、部屋の中の兄妹は慌ててしまった。

「ドアをこじ開けようとしてる!お兄ちゃん、どうしよう?」千夏が焦って言った。

「警察に通報するしかない」

達也は911の三つの数字を押した。

「お掛けになった番号は、現在使われておりません」電話から案内の音声が流れてきた。

達也がかけた緊急通報番号は海外のもので、白石沙耶はまだ彼に国内の緊急通報番号が911ではなく110だということを教える時間がなかった。

「どうなった?」千夏が急いで聞いた。

「繋がらないんだ、どうしよう?」達也は眉間にしわを寄せた。

外ではドアをこじ開ける音が続いていた。内側から鍵をかけ...

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