第44章

千夏が突然くすくす笑い出した。「この人だよ、間違いない!この人だよ!」

結城綾音と南條修司は再び固まった。これはどういう展開だろう?

達也はより落ち着いた様子で、表情は変わらないものの、目に宿る小さな光が内心の動揺を物語っていた。

パソコンで南條修司の写真を見たことがあり、密かに南條修司をお母さんの恋人候補にしようと計画していたが、本人に会うことはできなかった。今、彼がこうして生身で目の前に立っている。達也の心にも驚きと喜びが湧き上がった。

「私、白石千夏って言います。こちらは兄の白石達也。私より数分早く生まれたの。私たち双子なんですよ」千夏は真剣に自分とお兄ちゃんを紹介した。

南...

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