第100章 まさか彼だったとは

白石蘭は無理やり笑みを形にして言った。

「柳林隼さんに会いに来ました」

安藤美咲はその名を耳にした瞬間、ふっと思い出す。たしか――高橋裕也の友人じゃなかった?

奥に向かって女の子が声を張る。

「お兄さーん。お嬢様が二人、会いに来てるよー」

そう言うなり、女の子は奥へ引っ込んだ。ほどなくして柳林隼が姿を見せる。寝間着のまま、目は半分閉じかけ、いかにも起き抜けだ。

頭をがしがしとかきながら、

「誰だ?」

視線が安藤美咲に止まった途端、表情がほどける。

「義――」

そこまで言いかけて、慌てて言い直した。

「安藤さん? なんであなたが」

隣にいる白石蘭の存在など、最初から見え...

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