第122章 高IQの息子

安藤美咲がオフィスに戻ると、高橋裕也の姿がなかった。

それから丸一日、彼は一度も顔を出さない。美咲はほとんどやることもなく、総合受付でふるいにかけられた電話をいくつか取っただけだった。内容はどれも重要案件で、高橋社長との面会時間を押さえたいというものばかり。

美咲の仕事は、基本的にはそれだけ。普段なら高橋裕也に付き添って各地の視察にも同行する。

飲み物を用意して、傘を持たせて、サングラスまで揃える。

高橋社長は、正直かなり楽をしていると思う。何から何まで誰かが段取りしてくれる。まるで大きな赤ん坊みたいに、世話を焼かれることを当然のように享受している。

なのに今日は妙だった。外出に、...

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