第141章

結局、彼は聞けなかった。だが、いつか必ず彼女に思い出させてみせる。いつの日か、彼女の口から「あなたも、私の気がかりなの」と言わせてみせる。

二人は1階のレストランへ向かった。ここの雰囲気は、ひと目で特別だと分かる。

大きな床まで届く窓。テーブルには白いクロスが敷かれ、花瓶には生花が一輪、静かに挿してある。

――ここは、いわゆるプライベートキッチンだ。

入ってすぐ、黒いワンピースに白いエプロンを着けた女性スタッフが迎えに来た。

「高橋社長、こちらへどうぞ」

案内されたのは、窓際の席。外を見れば、庭の竹林、その奥には小さなせせらぎまで見える。

環境は申し分ない。安藤美咲には分からな...

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