第180章

絵里は初めて来た場所が嬉しくてたまらない様子だった。

「ねえねえ、ここって高い? エレベーター、ずーっと乗ってたよね。きっとすっごく高いよね?」

高橋裕也の腕からするりと降りると、小さな足でぱたぱたとレストランの中へ駆けていく。しかも一直線に、床まで届く大きな窓のほうへ。

どれほどの高さなのか、自分の目で確かめたかったのだ。

ところが、窓辺に辿り着く前に安藤美咲の姿が目に入った。絵りはぴたりと足を止め、ちょこちょこと近づいていく。

「えっ、美咲ちゃんもいるの? それで、このおじさんはだれ?」

小首をかしげ、わざと寄り目にして上川安宏を見上げる。

上川安宏はその仕草に思わず頬が緩...

ログインして続きを読む