第204章

安藤美咲は、ようやく気づいた。――これ、ドレスだったのだと。

 絵里もすでに箱を開けていて、思わず声を上げる。

「わあ! すっごくきれい!」

 勇と光も目を丸くしている。ママが着たところを、今すぐ見たい――そんな期待が瞳いっぱいに浮かんでいた。

 美咲はふっと笑った。

「鈴木澤、すごく素敵なドレス……ありがとう」

 通話を切ると、彼女はドレスをそっと持ち上げ、自分の腕に当ててみる。絵里が嬉しそうに小さな手をぱちぱち叩いた。

「ママ、早く着て! 見たいよ!」

 美咲にとって、こういうドレスを身にまとうのは久しぶりだった。

 一目でわかる、名のあるデザイナーの仕事。彼女自身、い...

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